WindowsXP延長方法
2014年08月06日
XPは依然として24.8% - 7月OSシェア
2014年7月はWindowsがシェアを増やし、Mac OS XとLinuxがシェアを減らした。バージョン別にみるとWindows 7のシェアが増加。Windows XP、Windows 8.1、Windows 8はシェアを減らしており、Windows 7への移行が進んでいる様子が見える。
2014年7月デスクトップOSバージョン別シェア
Windows XPのサポートはすでに終了しているものの、依然として24.82%という高いシェアを保持している。セキュリティサポートの終了したWindows XPはさまざまなセキュリティ脅威に悪用されると指摘されているため、現在もオープンな環境でWindows XPを使用している場合には早期の対策が推奨される。
順位 | プロダクト | 今月のシェア | 先月のシェア | 推移 |
---|---|---|---|---|
1 | Windows 7 | 51.22% | 50.55% | ↑ |
2 | Windows XP | 24.82% | 25.31% | ↓ |
3 | Windows 8.1 | 6.56% | 6.61% | ↓ |
4 | Windows 8 | 5.92% | 5.93% | ↓ |
5 | Mac OS X 10.9 | 4.12% | 3.95% | ↑ |
6 | Windows Vista | 3.05% | 2.95% | ↑ |
7 | Linux | 1.68% | 1.74% | ↓ |
2014年04月10日
XPを使い続ける場合「最低限4つのこと」
日本マイクロソフト業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏が、サポート終了の経緯とこれまでの取り組み、そしてやむを得ずまだWindows XPマシンを使い続ける層に向けた「最低限お願いしたいこと」を説明した。
●まだ使う人に最低限実施してほしい「4つ」のこと
社内システムや予算の都合など、やむを得ずWindows XPマシンをまだ使用する場合はどうするか。
1. すべてのセキュリティ更新プログラムを適用する(4月9日に公開された最終版は今後1年は提供)
2. セキュリティ製品(ウイルスチェックソフトの定義ファイルなど)も最新の状態にする
3. インターネットから切断する
4. USBメモリなど、感染源となる外付けメディアの利用を停止する
がリスクを低減する最低限4つの対策となる。もちろん万全ではないため「できるだけ早く最新の環境への移行計画を検討してほしい」(マイクロソフト)というのが日本マイクロソフトのメッセージだ。
なお諸外国では、オランダ政府と英国政府がWindows XPの延命に関するカスタムサポートの契約を交わしたとの報道があった。政府機関で使用するマシンにまだ相当数対象が存在することに対処するための企業対政府間の契約となる。日本政府はどうかについて言及はなく、政府が契約したからといって国民全員が延長サポートを受けられるものではない。「カスタムサポートについては、個別に特定の企業と結ぶ形態もの。特例というたぐいではなく、個別契約内容の一環という位置付け」(日本マイクロソフトの加治佐CTO)だという。
Windows XPについては「まだ使えるのに、困っていないのに、なぜ?」という疑問がよく聞かれる。2011年のアナログ放送終了時と似ていると感じた人もいるかもしれない。アナログ放送の終了も確かに利用者に不利益が生じた面はあったものの、「金銭を盗まれる」「他人にも意図せず被害を与えてしまう」可能性があるのは大きく異なる。
セキュリティ修正プログラムの配布は終了するが、移行検討者への情報提供、支援サービスは今後も継続して行う。
Windows7・Windows8・Windows8.1などのセットアップファイルはディーエルソフトで注文すれば、入金前に無償でダウンロード提供されているそうです。
2014年04月03日
「ウィンドウズ」を無償化 マイクロソフトがグーグルやアップルに対抗
この日サンフランシスコで開いた開発者会議で発表した。サトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)は「われわれは(製品やサービスで)顧客に対する一貫性がある」と述べて、競争に打ち勝つ自信を示した。ウィンドウズXPのサポート終了には言及しなかった。
マイクロソフトは先月、事務統合ソフト「オフィス」をアップルのタブレット向けに無償提供すると発表したばかり。今回のウィンドウズ提供で、主力のソフトウエアで勢力拡大を目指す路線がより鮮明になった。これまでは有償で提供していた。
2014年02月18日
Windows XPとWindows 8を徹底比較 3倍違う起動時間
【測定結果の表】
●Windows XPのサポートは2014年4月9日まで
企業などで幅広く採用され、個人の利用者もいまだに多いWindows XPマシン。それだけ優秀なOSだったということだが、4月9日にはサポートが終了し、セキュリティ更新プログラムがなくなったPCは、新たな脅威に対して丸裸も同然になる。次々と生み出される悪意を持ったソフトウエアに対抗できないだけでなく、サイバー攻撃や感染を広める踏み台にもされかねない。マイクロソフトのサポート終了に伴って、アンチウイルスソフトなどもWindows XP向けのアップデートを終了する可能性が高く、そうなるとますますPCは無防備になる。Windows XP搭載のPCを現役で使っている人は、もはやためらわずに最新PCに買い替えるべきだ。
買替えの理由は、セキュリティだけではない。最新のPCは当然のごとく性能が高く、あらゆる操作が速い。Windows XPマシンを使っている人は、一度、最新PCの起動の速さを体験してみるといい。その快適さに、目からウロコが落ちる思いを味わうだろう。
ここでは、Windows XPマシンとWindows 8マシンの「速度」を比較した。使用したのは、いずれもレノボのA4サイズのノートPC。Windows XPマシンは、2007年7月発売の「ThinkPad R61e」で、搭載するOSはWindows XP Professional Service Pack2、CPUはCore 2 Duo T7100(1.80GHz)、メモリ512MB、HDD80GB、ディスプレイは15.4型ワイド(1280×800ドット)だ。
一方、Windows 8マシンは、2013年10月発売の「Lenovo G510」。搭載するOSはWindows 8 64ビット版、CPUは第4世代のCore i5-4200M(2.5GHz、ターボブースト時3.10GHz)、メモリ8GB、500GBのSSHD(HDD500GB+キャッシュ用SSD8GB)。ディスプレイは15.6型ワイド(1366×768ドット)だ。
●起動時間はWindows 8が約3倍も高速
最初に、電源オンからの起動にかかる時間を計測した。電源ボタンを押し下げてからデスクトップを表示し、Windows XPマシンの場合はタスクトレイのアイコンをすべて表示するまで、Windows 8マシンの場合はマウスポインタのかたちが青いリングから矢印の表示に最初に変わるまでを、ストップウォッチで計測した。なお、以降の計測についても同様だが、あくまでも目視による判断で、ストップウォッチを使った手動計測なので、多少の誤差があることはご容赦いただきたい。
続けて5回計測した起動時間の平均は、Windows XPマシンが53秒535だったのに対して、Windows 8マシンは17秒035と約3倍も高速だった。体感でも、Windows 8マシンは電源オンですぐ起動して使い始められる印象だ。
●ブラウザの表示はWindows 8が圧倒的に速い
続いて、Internet Explorerの起動にかかる時間を計測した。Windows XPマシンはデスクトップ画面で、Windows 8マシンはスタート画面で、いずれもInternet Explorerのアイコンをダブルクリックして起動し、MSN japanのウェブサイトを完全に表示するまでを計測した。IEのバージョンは、Windows XPマシンがInternet Explorer 7、Windows 8マシンがInternet Explorer 10で、通信環境はXP/8ともにIEEE802.11gの同じ無線LANでインターネットにアクセスした。
続けて5回計測したInternet Explorerの起動にかかった時間の平均は、Windows XPマシンが15秒631、Windows 8マシンが2秒289と、これも大きな差がついた。Windows 8マシンでInternet Explorerを起動すると、本当に一瞬のうちにウェブサイトを表示する感じなのだが、Windows XPマシンだとけっこう待たされる感覚だ。
●アップロード/ダウンロードもWindows 8の圧勝
さらに、インターネット経由のファイルのアップロード/ダウンロードにかかる時間も計測した。JPEGの画像データ24ファイルを収めた約121MBのフォルダ(Zip圧縮済み)を、無料オンラインストレージ「firestorage」にアップロード。その後、「firestorage」からそれをダウンロードして、かかった時間を計測した。
結果は、Windows XPマシンでのアップロード時間が3分53秒103、ダウンロード時間が3分34秒293。対して、Windows 8マシンでのアップロード時間は1分19秒438、ダウンロード時間は2分08秒340。ここでもWindows 8マシンの圧勝で、アップロードにかかった時間はWindows 8マシンのほうが3倍近く速かった。
最新PCのOSはWindows 8.1なので、この計測結果よりもさらにパフォーマンスは向上していて、Windows XPとの差はより広がっているはず。正直なところ、二つのPCを並べて計測していると、Windows XPマシンのあまりの遅さにイライラしてくるほどだった。それくらいスピード差は圧倒的だ。
レノボは、エントリモデル「G500」「G580」などの「Gシリーズ」からディスプレイが回転し、四つのモードでタブレットとしても使える「YOGA」シリーズなど利用シーンに合わせて豊富なラインアップを揃えている。さらに、現在はWindows 8搭載PC限定で買替えキャンペーンを実施している。
サポートが終了して、いまとなっては動作ももっさりしているWindows XPマシン。愛着はあるかもしれないが、やはりこの機会に買替えを強くおすすめしたい.
2014年02月15日
「ウイルス対策ソフトはサポート切れのXPを守れません!」 業界を挙げて移行を訴求
今回の呼び掛けは「情報セキュリティ月間」の一環として行われたもの。会見したマイクロソフトの加治佐俊一 最高技術責任者は、XPと現在のOSにおけるセキュリティ対策の取り組みについて、「XPが発売された2001年はインターネット普及が本格化した時期にあたり、脆弱性の修正パッチを提供する体制ができ上がった。現在は常時接続が当たり前で常にサイバー攻撃のリスクに晒されているため、OSに多層的な対策を設けている」と説明した。
今回のXPのサポート終了とは、Microsoftから脆弱性を修正する修正パッチが提供されなくなることを意味する。高橋正和 チーフセキュリティアドバイザーは、「サポート終了後に継続利用されるとセキュリティなどのリスクを抱えるので、最新環境に移行していただきたい。XPのマルウェア感染率はWindows 8の21倍も高い(同社調べ)」と述べた。
XPのサポートが終了してもMicrosoftは、2015年7月14日(米国時間)までは同社製のセキュリティソフト「Microsoft Security Essentials」でXPユーザー向けの定義ファイルの配信を継続する。一部のセキュリティソフトメーカーも同様の対応を表明している。しかし各社の施策は、あくまで期限までに他のOSへ移行できないユーザーのための最低限度の措置という位置付けになっている。
カスペルスキーの川合林太郎 社長は、「ウイルス対策ソフトはサポート期限の切れたOSを守れない」と明言。同氏によれば、OSのサポートとは、いわば家屋の構造を守ることに当たり、ウイルス対策ソフトは家屋の周辺を守る存在。「構造自体を修理できないとなれば、周辺だけの保護には限界がある」(川合氏)という。
会見したトレンドマイクロの大三川彰彦 副社長は「どうしても移行が遅れる場合は、ネット接続しない、用途を限定するなど方針を検討してほしい」、FFRIの鵜飼裕司社長は「XPの“延命措置”として多数の相談を受けているが、修正パッチ以上の対策は無い」、エフセキュアの富安洋介 プロダクトマネージャーは、「一刻も早く移行を進めてほしい」とそれぞれコメント。JPCERT コーディネーションセンターの満永拓邦 情報セキュリティアナリストは、「パッチマネジメントはセキュリティ対策の基本中の基本で、最も効果的」と解説する。
ユーザー別にどんなセキュリティリスクが待ち受けているのか。コンシューマに向けて、マカフィーの本橋裕次 サイバー戦略室長は「警察庁によれば2013年はオンライン詐欺の被害額が過去最悪の14億円になった。被害者の大半がセキュリティソフトを使っていなかったといわれるので、セキュリティソフトを正しく利用してほしい」と話す。企業ユーザーに対して、シマンテックの岩瀬晃マーケティング 統括本部長は「標的型サイバー攻撃に遭った企業の31%は社員1~250人の中小企業。大企業が狙われるというのは間違った認識」と警鐘を鳴らす。
マイクロソフトは、サポート終了時点における国内のXPユーザーを、全PCユーザーの約1割にあたる750万台まで引き下げたい考え。経済産業省の上村昌博 情報セキュリティ政策室長は、「政府の成長戦略にITは不可欠であり、特にサイバーセキュリティ対策は根幹の政策。官民を挙げて移行を推進したい」と述べている。
2014年01月22日
「Windows XP」のサポート期間が終了したらどうする?
米Microsoftが2001年10月にリリースしたOS「Windows XP」のサポート期間が、今年の4月9日に終了を迎えます。「サポート期間が終了すると何が起こるの?」「そのまま使い続けられないの?」という方のために、サポートの内容や期間終了後の危険性などを見ていきましょう。
OSのサポート期間とはどんなもの?
まず、OSのサポート期間についての解説です。MicrosoftではOS製品のサポートとして、仕様変更や新機能の追加までを含む「メインストリームサポート」と、ビジネス・開発用製品を対象に不具合対応やセキュリティ関連の更新のみを行う「延長サポート」を提供しています。期間はいずれも最短5年ですが、OSでは次期バージョンの製品がリリースされた2年後にサポートを終了する可能性もあります。
Windows XPの場合は、次期OSである「Windows Vista」がリリースされた2年後の2009年4月にメインストリームサポートが終了しました。通常であれば、ここからはビジネス・開発用製品の「Professional」と「Tablet PC Edition」だけが延長サポート期間に入る予定でした。しかし、当時はコンシューマ向けの「Home Edition」が非常に高いシェアを誇っており、このままサポートを終了すると数多くのPCがセキュリティ面で不安を抱えることになるため、Microsoftでは「Home Edition」と「Media Center Edition」にも2014年4月8日までの延長サポート期間を適用したわけです。
鍵の壊れたドアが増え続ける危険性
それでは、サポート期間が終了すると一体なにが変わるのでしょうか。機械的な意味で「そのまま使い続けられるのか」と聞かれれば答えは「イエス」です。PCが起動しなくなったり、今までの機能が使えなくなるようなことはありません。しかしここで一番重要なのが、セキュリティ強度が大幅に低下することです。
普段あまり意識する機会はないと思いますが、サポート期間中はWindows Updateの更新プログラムによって不具合対応やセキュリティ関連の更新が行われています。新たに発見されたセキュリティホールや脆弱性などを継続的な更新でカバーし、ウイルスやクラッキングといった悪意のある攻撃からPCを保護するわけです。
この更新がなくなると、当然ながらOSのセキュリティホールや脆弱性はそのまま放置されることになります。家に例えるなら鍵の壊れたドアが増え続けるようなものですから、非常に危険な状態といえます。
「セキュリティ対策ソフトを使っているから大丈夫」と思うかもしれませんが、残念ながらこれらのソフトではOSのセキュリティホールや脆弱性自体を埋めることはできません。ドアの鍵が壊れたまま警備会社を雇っているようなものなのです。
サポート期間が終了する前に対策を
「そんなに重要なデータを保存しているわけでもないし…」という思い込みも大変危険です。メールからはWebサービスのIDをはじめさまざまな個人情報が抜き出せますし、ECサイトで買い物をしていればクレジットカード情報が盗まれる可能性もあります。さらに、悪意ある第三者がそのPCを踏み台として、別のPCやWebサイトに攻撃を仕掛けられることも十分に考えられるのです。
このように、無防備なPCが増えるとインターネット社会全体の脅威が増加することになります。Windows XPを使用している方は、サポート期間が終了する前にぜひ対策を講じてください。
操作性重視ならWindows 7も選択肢に
Windows XP環境からの脱却方法としては、現在使用しているWindows XP搭載PCのOSを新しいものに入れ替える、新しいOSを搭載したPCを購入する、という2つの選択肢があります。しかし、前者についてはスペック的にお勧めできません。PCの技術はWindows XPが登場した当時と比べて飛躍的に向上しており、そこに新しいOSを入れても快適な動作が見込めないからです。また、OS・アプリケーションともに64bit化が進んでいる点も、32bitが主流だった頃のハードウェアで対応が難しい部分のひとつです。
現在市販されている買い換え対象PCのOSとしては、「Windows 7」と「Windows 8/8.1」が挙げられます。Windows 7を最初から搭載している製品は少なくなっていますが、中にはWindows 8/8.1からのダウングレードが可能なモデルもあるので、購入前に調べておくと良いでしょう。
OS選びの目安ですが、使い勝手が若干変わっても構わないのであれば、タッチ操作に最適化されている最新OSのWindows 8/8.1がベストです。ただし、Windows 8/8.1は従来のOSと比べて操作に違和感を覚える人も多いため、開発者の間では「第二のVista」と言わられています。店頭などで実機に触れてみて厳しそうであれば、Windows XPに比較的近い操作性のWindows 7をお勧めします。
ディーエルソフトさんで格安乗り換え支援キャンペーン実施しています。
Windows7/Windows8を無償でマイクロソフト社のサイトよりダウンロードできます。無事インストールし始まりましたら、ライセンスを購入できるそうです。
2014年01月09日
「移行は不要?」と判断した企業も
「なぜマイクロソフトの都合に合わせてバージョンアップしなければならないのか」「できればXPを今のまま使い続けたい。業務上、特に問題になることがない」──。日経パソコン誌は2013年9月下旬から10月にかけて、企業を対象にWindows XPの移行実態を調査した。すると、企業からこのような回答が寄せられた。
Windows XPは2014年4月9日に、日本マイクロソフトによるサポートが終了する。これにより4月10日以降は、これまでマイクロソフトが毎月配信していたセキュリティー更新プログラムや、企業向けに提供していた有償サポートサービスが提供されなくなる。企業にとって、セキュリティー面でリスクが高まることは明らかだ。ただ、どれだけの労力とコストをかけて移行作業に取り組むべきなのか、影響の大きさを測りかねている企業は多い。
■XPはまだ「枯れて」いない
セキュリティー更新プログラムがなくなると、何が困るのか。ここでマイクロソフトが2012年に公表した脆弱性の件数を、OS別に見てみよう(図1)。Windows XP Service Pack(SP) 3は、68件の脆弱性が見つかっている。これはWindows 7 SP1とほぼ同数で、Windows Vista SP2よりはやや少ない程度だ。Windows XPはリリースから10年以上経過しているOSだが、決して「枯れている」わけではない。
同じタイミングでサポートが終了するOffice 2003についても同様だ。折しも2013年11月20日、情報処理推進機構(IPA)がOfficeの脆弱性を悪用した標的型攻撃が国内で確認されたと発表した。メールに「履歴書.zip」というファイルが添付され、それを解凍してWordで開くとマルウエアに感染してしまう。
マイクロソフトが毎月提供していたセキュリティー更新プログラムは、こうした脆弱性、つまりWindowsやOfficeの弱点を修正するプログラムである。サポート終了後は、こうした脆弱性が見つかっても、Windows XPとOffice 2003については更新プログラムが提供されなくなる。
■対策ソフトでは脆弱性は解消されず
「セキュリティー対策ソフトをパソコンに導入していれば大丈夫ではないか」、という意見もある。セキュリティー対策ソフトは、脆弱性を悪用した攻撃を防いでくれる。しかし、脆弱性を解消するわけではない。
サポートが終了する2014年4月以降に、何件の脆弱性が見つかるかを予測するのは難しい。企業ごとに置かれている事業環境や情報システムの事情は異なる。サポート終了にどのように対応するかは、企業によって判断が分かれるところだ。この記事では企業の実態を、アンケート調査の結果を基に明らかにする。
■Windows 7への移行が進む
この調査では2013年9月時点での移行状況について、1225社から回答を得た。使用しているパソコンのOSを聞いたところ、回答企業の94.5%がWindows XPを使用中であることが分かった(図2)。サポート終了が近づく中でも、ほとんどの企業が何らかの形でXPを使用している。
[左]図2 2013年9月時点でWindows XPを使用する企業は94.5%に達した。ごく少数を使用しているケースも含まれている
[右]図3 パソコン用OSで最も多いのはWindows XPという企業が52.2%で最も多かった。ただ、前回実施した調査の64.7%からは12.5ポイント減少。代わりにWindows 7という企業が増えた
ただし、XPから新OS(基本ソフト)への移行は、着実に進んでいるようだ。社内パソコンで最も数が多いOSは何かを聞いたところ、多かった回答はやはりXPで52.2%。それに次ぐのがWindows 7で、46.1%だった。
同様の質問を2013年4月に実施した「企業情報化実態調査」でも聞いているが、その際はXPが64.7%、7が32.7%だった(図3)。この半年でXPが最も多いという企業が12.5ポイント減り、7は13.4ポイント増えた。XPから7に、主力OSを移行する動きが見て取れる。
全パソコンに占める、Windows XPの割合を詳細に聞いた。XPが90~100%という企業は14.6%だった。4月の調査では16.5%だった(図4)。一方、XPが10%未満という企業の割合は9.4%から13.8%と増加した。全体的に、保有率が高い企業は減り、保有率が低い企業が増えている傾向が分かった。脱XPは着実に進んでいる。
ただし、その取り組み状況は業種によっても異なる。XPを多く使っている企業の割合が最も高いのは、運輸/電力・ガス・水道業(図5)。59.3%の企業が、最も多いOSはWindows XPだと回答している。続いて割合が高いのは製造業で、57.1%を占めた。
図5 最も多いパソコンOSを聞いたところ、XPと回答した割合が最も高かったのは、運輸/電力・ガス・水道業だった。製造業と、商社/流通/小売業が続く。情報処理/ソフトウエア等の業界は最も低く、Windows 7という回答が6割を超えた。なお、回答数が10に満たなかった業種は除いた
■新パソコンへの買い替えが多数派
具体的に、どのように移行しているのか。XPから新しいOSにパソコンの利用環境を移行するには、OSをバージョンアップする方法と、パソコンを入れ替える方法の、2つがある。2013年度にXPからの移行を実施する企業に聞いたところ、85.1%の企業が「別OSの新パソコンに置き換える」と回答した(図6)。「別OSにアップグレードする」と答えた企業は10.9%にとどまった。
[左]図6 XPから移行する際の具体的な作業について聞いた。パソコンを入れ替えるという企業が85.1%と大多数だった。OSのみをアップグレードする企業は1割程度にとどまった
[右]図7 2012年に廃棄したパソコンについてどの程度の期間使用したものが多かったか聞いた。5年以上と回答した企業が7割を超えた。4年以内という企業は、20%に満たなかった
多くの企業がこの機にパソコンを買い替えるようだ。しかし、現在XPを動かしているパソコンの多くは、Windows Vistaか7搭載機をダウングレードしたもの。実際XPを使用している企業に聞くと、「Vistaからのダウングレード」という回答が35.3%、「7からのダウングレード」は60.3%だった。
ダウングレードしたXPパソコンであれば、元のOSに無償でアップグレードできる。にもかかわらず、新たにパソコンを購入する企業が多数を占めた。
この理由の一つは、パソコンの老朽化にあるようだ。パソコンの使用年数を聞いたところ、33.8%の企業が「5年」と回答。さらに「6年」が17.8%、「7年」が15.0%と多かった(図7)。大塚商会 マーケティング本部の坂本次朗氏は「OSだけをバージョンアップするのも手間やコストがかかる。ならばこの機会にパソコンを新調しようと考える企業が多い」と、企業の動向を見る。
■「移行の作業負担が大きい」
2013年度中にXPからの移行が完了しないという企業には、何が移行を妨げているのかを聞いた。最も多くの企業が挙げたのは、「移行の作業負担が大きいため」(36.6%)と回答した(図8)。IT(情報技術)部門の人員が少ない企業や、XPパソコンの数が多い企業にとって、移行作業は大きな負担となっているようだ。「移行作業に必要な予算を確保できないため」という回答も、35.3%と多かった。作業を外部に委託したくても、その予算を確保できていないという企業もあるようだ。
次に回答が多かったのは「移行する必要がないと判断しているため」で、27.2%だった。Windows XPへのサポートが終了することによるリスクはそう大きくないという判断とみられる。
XP移行作業を実施するに当たっての課題も聞いた。最も多かったのは、45.1%の企業が挙げた「自社開発ソフトの修正、動作検証」だった(図9)。それに続くのは、「サードパーティー製ソフトのバージョンアップ、動作検証」(44.0%)で、OSが変わったことによるソフトウエアへの影響を懸念する企業が多いことが分かった。
■半数以上がWindows 8/8.1導入に後ろ向き
XPからの移行先となるOSとして、企業は何を選定しているのか。今年度移行する企業に導入予定のOSを全て回答してもらったところ、最も多かったのは、Windows 7で97.8%だった(図10)。
調査開始時点で最新のOSだったWindows 8を導入する企業は、全体の11.2%だった。4月の調査では、20.7%がWindows 8を選択していたので、それが半減したことになる。
今後企業はWindows 8/8.1を導入しないのか。その予定を聞いたところ、すでに一部で導入済みという企業は12.4%、2013年度内に一部導入予定と回答した企業が5.3%だった(図11)。
現時点で全社的に導入をしている企業はほとんどなく、0.3%だった。全社導入を「予定していない」のは59.7%、一部導入も予定しないという企業は50.0%だった。半数以上の企業は、導入に後ろ向きだ。
ただ、「分からない」と回答した企業も20%以上いた。大塚商会の坂本氏は、「半年前と比べて、Windows 8を検討する企業は増えている。特にタブレットとして社外で利用することを考えているようだ」と話す。持ち運びやすく使い勝手の良いパソコンが増えれば、導入に傾く企業も現れそうだ。
■Office 2003は3割強
XPと同タイミングでサポートが終了するOffice 2003の現状についても聞いた。まずサポートが終了することを把握していたかどうか聞いたところ、8割以上の企業が2012年度以前から知っていたことが分かった(図12)。企業が準備する時間は十分にあったはずである。
図13 Office 2003のサポート終了にともなう移行は徐々に進んでいる。最も多く使用しているOfficeソフトとしてOffie 2003と回答した企業が半年で7.5ポイント減少。2010が8.3ポイント増えた
現状、最も多く使っているOfficeソフトは、「Office 2003」が35.7%で最も多かった(図13)。4月に実施した調査の43.2%から7.5ポイント減少した。「Office 2010」と回答した企業は32.5%で、4月から8.3ポイント増加した。Office 2003から2010への移行が進んでいるとみられる。
もちろん、Office 2003から移行しない企業もある。利用企業に移行予定を聞いたところ、2014年4月までにOffice 2010またはOffice 2013に移行する企業は41.5%だった(図14)。「移行しない」とする企業は11.7%、「未定」が7.7%だった。
[左]図14 Office 2003からの移行については積極的でない企業が少なくない。「移行しない」は11.7%、「未定」が13.6%だった。サポート終了までに移行するのは、半数の企業である
[右]図15 Office 2003からの移行が遅れる要因として最も多かったのは、作業負担の大きさ。次いだのが、移行する必要がないと判断しているため、という企業だった
2014年春までに移行を終えられない理由も尋ねた(図15)。最も多かったのはXPの移行同様、「移行作業の負担が大きいため」で34.3%。2番目は、「移行する必要性がないと判断しているため」(29.1%)だった。
2014年01月02日
Windows XPから乗り換えるべきは“7”か“8”か
OSアップグレードとハードウェアの入れ替えを同時に行うのが理想
2014年4月9日(日本時間)にサポート終了が迫ったWindows XP。同OSが発売されたのは2001年のことだった。
2001年といえば、NTT東日本が「Bフレッツ」の提供を開始したり、Yahoo! BBやイーアクセス、アッカ・ネットワークスが低価格ADSLサービスに参入するなどして「ブロードバンド元年」と呼ばれた年だ。ほかにはDDIポケットがモバイル通信サービス「Air H"」を開始するといった出来事もあり、こと通信サービスについては、ナローバンドからブロードバンドへの過渡期真っただ中にあった。
そんな中でリリースされたWindows XPだが、ダイヤルアップ接続をはじめとして、旧来の通信回線を前提とした仕様も数多く残されている。こうした仕様のまま、昨今のスパイウェアなど、高度化した脅威に対抗することは構造的にも難しく、また最新のソフトウェアを利用するにしても、綱渡りにも似た状況であるわけだ。
身近なところで分かりやすい例を挙げよう。Windows XP発売当初、PCで主流のCPUはちょうどPentium IIIからPentium 4へと移行しつつあったが、昨今のアンチウイルスソフトによくみられる高度なヒューリスティックエンジンによる未知のウイルスをリアルタイムで検出する技術は、その当時には一般的でなかった。
そのため、これらの旧世代CPUでリアルタイム検出を実行しようとしても、処理速度が追いつかず、まともに機能しないことがほとんどだ。ハードウェアのアップグレードとともに、開発段階からこれらの機能を念頭に置いて設計された新しいOSに入れ替えない限り、対応は困難といえる。
またハードウェアについては、通信機能以外の進化も著しい。64ビット対応による大容量メモリのサポート、USB 3.0などの高速なインタフェース、高解像度のディスプレイ、タッチパネルといった技術についても、Windows XPの発売当時にはまだなかった、もしくは一般的でなかったものばかりだ。CPUも現在ではPentium以降に登場したIntel Coreが第4世代(開発コード名:Haswell)まで進化し、クアッドコア以上の環境も当たり前となって、処理速度は劇的に向上している。
Windows XP世代のPCは、ハードウェアの経年劣化も心配だ。OSだけアップグレードしたところで、大事なデータを記録したHDDや電源など内部のパーツが寿命を迎え、すぐに故障してしまっては元も子もない。
こうした点も踏まえると、もし当時のハードウェアをだましだまし使い続けているのであれば、OSだけをアップグレードするのではなく、新しいハードウェアにまとめて入れ替えるのが得策だ。新しいハードウェアの多くは消費電力が下がっている場合が多く、節電効果も期待できるので、企業ユースでのメリットも高い。
●操作性がXPに近く、互換性も高いWindows 7
Windowsのソフトウェア資産を生かしつつ、Windows XPから移行するOSとしては、最新の「Windows 8」(そこから無償アップデートが可能なWindows 8.1も含む)と、その1つ前の「Windows 7」が候補となり得る。もっとも、現状においてビジネス用途で移行先のOSに多く選ばれているのはWindows 7であり、およそ6割を占めているという。
Windows 7が好まれる理由はいくつかある。1つは操作性がWindows XPに近いことだ。最新のWindows 8は「モダンUI」と呼ばれる、タッチ操作を前提にしたインタフェースが採用されており、見た目がWindows XPと大きく異なる。
もちろん、タッチではなくマウスで操作することも可能だが、先日Windows 8.1にアップデートされるまではスタートボタンすら存在せず、またそのスタートボタンにしても従来とは機能が大きく異なるなど、Windows XPから移行すると戸惑いも多いだろう。
こうしたユーザーインタフェースの違いから来る戸惑いを少しでも減らしたければ、最新のWindows 8/8.1ではなく、Windows 7をチョイスしたほうがよいだろう。オフィスで従業員のPCをすべてWindows 8/8.1に乗り換える場合、PCの基本操作を改めて学習してもらう必要があり、それにかかる時間や追加のコストも考える必要がある。
これがもし、2〜3年後にWindows 7がサポート終了となり、再びOSの乗り替えを検討しなくてはいけないようであれば、慣れるための多少の期間が必要であってもWindows 8に乗り替えたほうが長い目で見て得策だろうが、幸いにしてWindows 7のサポート終了まではまだ6年もの猶予がある。
ソフトウェアの互換性についても、枯れた(アップデートを繰り返して不具合を減らし、安定化が進んだ)Windows 7のほうが、Windows 8に比べて高いことも見逃せない。市販の主要なソフトウェアは、メーカーがアップデートプログラムを用意しており、明示的に非対応をうたっているものを除けば、Windows 8/8.1でもWindows 7でもまず支障はないだろう。
しかし、自社向けにカスタマイズされた古い業務用ソフトウェアについてはそうはいかない。多くのベンダーでは互換性検証のために新型PCの貸出サービスを実施しているが、その結果としてWindows 7を選択している企業は少なくない状況だ。いくら最新のOSとはいえ、業務で長年使い続けてきたソフトウェアが動作しなくては意味がないわけで、これは当然だろう。業務用ソフトウェアの移行も同時に行うとなると、さらにコストがかかってしまう。
また、意外と見逃されがちだが、イントラネットのサイトや、Webブラウザベースで動作するサービスを利用するにあたって、Webブラウザの互換性が問題になる場合もある。Windows 8にはInternet Explorer 10、Windows 8.1にはInternet Explorer 11が付属するが、これらのWebブラウザでは互換モードを使わなければイントラネットなどが閲覧できないケースがある。こうした場合、Windows 7に付属するInternet Explorer 8であれば、支障なく閲覧できることも少なくない。
もちろんこれは一例で、Internet Explorer 7以前でないと閲覧できない場合はWindows 7でもお手上げだが、考え方についてはお分かりいただけるだろう。最近ではWebブラウザでのインタフェースを持つサービスも増えているので、独自のソフトウェアにとどまらず、こうしたサービスについても、事前にきちんと検証しておく必要がある。
●タッチ操作に最適化され、サポート期限も長いWindows 8
もちろん、Windows 8を選ぶメリットはある。具体的には、今後ますます増えてくるであろうWindowsタブレットや、2in1デバイス(ノートとタブレットを1台でまかなえる変形型PC)の製品に設計が最適化されていることだ。
またモバイルノートPCなどでタッチ操作を利用したい場合、タッチを前提に設計されたWindows 8のほうが操作性ははるかに高い。業務用ソフトウェアの動作に支障がなく、営業スタッフが顧客にタブレットスタイルでスマートに画面を見せて商品説明できたり、ペン入力でメモや手書きでのサインを直ちにデータ化できるなど、こうした付加価値に魅力を見いだせるのであれば、検討する価値は高い。
また、サポート期限についても、後発であるWindows 8/8.1のほうが有利だ。Windows 7のサポート終了は2020年1月。およそ6年後だ。これに対してWindows 8は2023年1月ということで9年後となり、約3年の開きがある。少しでも“次の選択”を先に延ばすのであれば、Windows 8世代のOSに軍配が上がる。
2013年11月01日
マイクロソフトが警告!Windows XP、サポート終了でマルウェア感染率が激増か 過去には66%アップも
2013年10月07日
読売新聞のXP関連記事はちょっと微妙なベクトルじゃないですかね
そのWindows XPのサポート終了までいよいよ残り約半年となりました。
Windows XP および、Office 2003 のサポート終了についてのご案内(Microsoft)
マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシーに基づき、2014 年 4 月 9 日 (日本時間) に Windows XP Service Pack 3 (SP3)、Windows XP 64 ビット版 SP2 および Microsoft Office 2003 Service Pack 3 (SP3) の製品サポートが終了します。サポート終了後、対象となる製品へのセキュリティ更新プログラムの提供が終了します。
サポートが切れてもそれで突然PCが使えなくなるわけではないので、使える間は使えばいいじゃないかという考え方もありますが、セキュリティ関連の更新が一切無くなるため、ネットに接続して使いたい場合に色々と危険性が増すわけですね。おそらく、サポート終了後に発見されたセキュリティの不具合を抱えたままで継続使用されるXP環境を狙ったサイバー攻撃も今後増えるのではないでしょうか。
そうしたこともあって、メディアも色々とXPサポート終了問題についての啓蒙的な記事を定期的に掲載しているのですが、先週末は読売新聞のITニュース欄がそういう特集を組んでおりました。
期限切れXP、自治体54%に20万台(読売新聞 2013/10/6)
国内のパソコンの3分の1に搭載されている米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポート期間が来年4月に終了するが、その後も全国の半数以上の966自治体が20万台以上を使い続けることが読売新聞の調査でわかった。
なんと日本国内にある全自治体が保有する全PCの1割強はXPのサポートが終了しても、そのまま使い続ける予定であることが分かったそうです。数にして20万台を上回るということですが、記事を読む限り、OSをXP以降に更新できない主な理由としては「予算が無い」ということに尽きるようです。
この十年くらいで掛け声勇ましく自治体のIT化が進められた結果、色々なところでシステムが導入されたのは良かったのですが、その後のランニングやメンテナンスを含めた予算が考えられていなかった。もしくは知っていても、自治体全体の運営が厳しくてそれどころではなかったということなのでしょうか。
で、読売新聞は上記の記事に関連して、さらに衝撃的な記事を掲載しております。
XP期限切れ、自治体「攻撃めったにない」(読売新聞 2013/10/6)
更新のための予算約6億円は来年度予算で確保できる見込みだが、導入が始まるのは来年8月から。戸籍や住民票を扱う業務システムがXP専用で、システム交換が終わらないためだ。5か月近く、危険な状態が続くが、IT推進課職員は「サイバー攻撃はめったにあるものじゃないし、別に不安はない」とあっけらかんと話す。
いろいろ驚く内容ですが、この記事は方向的にやや煽りすぎではないでしょうか。この取材内容が事実であり、恣意的な記事の書き方が一切されていないとしても、あえてセキュリティの穴が空いてしまう自治体名を新聞紙上で公開する必要はあったとはちょっと思えないんですよね。せめて、具体的な自治体の名は明かさず、「とある自治体では」程度に話をぼやかしておくべきでした。これでは、XPを使い続ける自治体のシステムを狙ってくれと宣伝しているようなものです。
読売新聞としては、「サイバー攻撃はめったにあるものじゃない」というような発言をする自治体関係者等に対して、そうした慢心を諫めるつもりでこの記事を掲載したつもりなんでしょうが、結果的に自らがサイバー攻撃の標的を世界中に知らしめていることになり、なんとも思慮が浅かったとしか言いようがありません。
サイバー攻撃における一番大きな対策課題は、いかに「ソーシャル・エンジニアリング」によってシステムの脆弱性を外部に晒さないかという点にあるわけですが、今回の読売新聞の記事はまさにその問題が露骨に発覚してしまったケースであります。各メディアはこうしたことに十分に注意して報道していただきたいと切に願う次第です。